北アイルランドでは、1960年代から90年代にかけてイギリスからの分離の是非をめぐって、
カトリック系と
プロテスタント系の住民の間で紛争が続き、3000人以上が犠牲となりました。
ヒューム氏は、穏健派の
カトリック系の政党、
社会民主労働党の党首として紛争の
終結に力を注ぎ、1998年に、
北アイルランドの帰属について住民の意思に委ねるなどとしたイギリスと
アイルランドの和平合意につなげました。
ヒューム氏は、この合意への貢献が大きく評価され、1998年に
自治政府の初代首相を務めたデービッド・トリンブル氏と共同で
ノーベル平和賞を受賞しました。
イギリスの公共放送BBCによりますと、ヒューム氏は、3日生まれ故郷の北部のロンドンデリーにある老人ホームで亡くなったということです。
83歳でした。
1998年の和平合意の時イギリスの首相だったブレア氏は3日、声明を発表し、「ヒューム氏は過去と同じ道を歩む未来を拒否した偉大な政治家だった」とその死を悼みました。