驚くべき政府、メディア、国民

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200416-00010003-newsweek-int

驚くべき政府、メディア、国民

4/16(木) 12:06配信

ニューズウィーク日本版

<報道によれば、政府はマスクや防護服、医療機器の増産を企業に求めたという。今まで何をやっていたのか?>

驚いた。

今朝の日経新聞1面では、政府がマスクや防護服、医療機器を増産するよう企業に求めた、という記事が。

今日は4月16日。これは2月にやっていると思っていた。これこそ真っ先にやることであり、政府がやるべきことであり、できることだ。

なぜだ。

しかも、ダイヤモンドプリンセスという経験がありながら、なぜそれを生かせなかったのか。

首相、大臣のブレーンたちは何をしていたのか。

医療での遅れも目立つ。軽症患者の自宅、ホテルでの隔離、病院の分業、分離、これらは最重要であり、真っ先にやるべきだったが、遅れた。これは理解はできる。これまでの医療行政の立て付けから行って、制度に対する考え方を変える必要があったからだ。この柔軟性のなさは課題だが、そういう失敗、出遅れは理解できる。また、検査の方針、クラスター対策も、早めに二正面作戦に移るべきだったのが、最初のやり方に固執するのも、失敗だが、理解できる。また、日本医師会という団体が手ごわすぎて、いつも厚労省の政策が妨害されるのは大変残念だが、事実としてある。オンライン診療を2月いや3月になってもつぶしたのは医師会だし、4月に行うこととなってからも、例外中の例外と念を押す。緊急事態宣言を求めたが、その陳情書の中身は、病院に休業補償をしろという唖然とする内容。しかし、仕方がない。それが現実だ。これを打破してほしいが、打破できないのは理解できる。

抵抗勢力もいないのに
しかし、一番理解できないのは、産業政策、経済官庁による動員政策だ。

なぜやらない?やらなかった?

布マスクの生産を依頼し、400億円あまり予算が自由に使えるなら、医療崩壊を守るための病院用マスク、防護服の生産を真っ先に全額出してもやるべきだったし、私もうかつだったが、当然やっているものだと思っていた。

それをいまさら。しかも、在庫買い上げというが、設備投資も政府が出したらよい。なぜそれができない?

医療行政と違って、反対する団体はいない。抵抗勢力はいないのだ。やればいいだけなのに、なぜだ?

布マスクのアイデアは経済官庁の官僚のものだと報道されている。そのアイデアを出す前に出すアイデアがあるだろ。アイデアでもなんでもない、誰でもやると当然思っていることだ。

理解できない。

これをメディアも求めなかったし、国民も緊急事態宣言や休業補償、金を配れというばかり。

理解できない。

そして、メディアも知事と官邸のせめぎあいばかりに関心があり、国民も、そのパフォーマンス競争に勝った知事たちを賞賛しているようだ。あほなのか。

なぜ韓国に学ばなかったのか?

ついでにニューヨークのことばかり報道して、ニューヨークの医師たちの東京への警告ばかりに気を取られ、韓国がロックダウンもせずに、人の流れを8割減らすどころか、2割しか減らさずに抑え込みに大成功していることからなぜ学ぼうとしないのか、韓国の報道をしないのか。韓国は2月の時点でほとんどの対策を打って成功させている。

そして、SNSでは意識高い系の人々が、stay home だかなんだか知らないが、ロゴを自分の写真に貼り付けて喜んでいる。欧米は韓国やシンガポール、台湾のように有効な政策をうつ能力がないから、何もできないことをあたかも良識ある唯一の解決策のように美化しているだけで、それを喜んでまねしているのも馬鹿馬鹿しくてあきれる。まあどっかの都知事も喜んでくりかえし叫んでいたが。

まったく理解できない。

*この記事は「小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記」からの転載です